プラス思考な
空振りセラピスト
空振りセラピスト
対象者のリハビリを行う前に、対象者の疾患の病理についてしっかりと理解・把握することはとても大切です。
これを行わないと、評価と治療計画がうまく行えなかったり、対象者を逆に悪くしてしまう可能性もあると考えます。
骨・軟部組織の回復過程を頭に入れておくことは大切です。
骨折の治癒過程
- 炎症期、修復期、改変(再造成)期に分けられる
- 炎症期=骨折直後から数日
- 修復期=仮骨形成(骨折部が安定し連続性を得る)骨化が進み硬性仮骨となるには、年齢や骨折の種類によって異なるが、通常は6〜8週とされる
- 改変(再造成)期=形成された繊維性骨が再造成により、層板骨に置換される時期で、皮質骨と骨髄腔が形成される。仮骨量の減少とともに次第に強度を増し、元来の解剖学的構造へと変化する。再造成の完了には数ヶ月〜数年を要する
- 骨折部が仮骨で結合され、ある程度の運動負荷に耐えられるようになるには4〜12週間を要する
- Gurltの表は四肢骨の骨折治癒に要する標準的な期間を示す(ただし架橋仮骨が形成されるまでの最短の期間を示すもの)
Gurltの表
中手骨・・・・・・2週間
肋骨・・・・・・・3週間
鎖骨・・・・・・・4週間
前腕骨・・・・・・5週間
上腕骨骨幹部・・・・6週間
脛骨、上腕骨頚部・・7週間
下腿両骨・・・・・・8週間
大腿骨骨幹部・・・・8週間
大腿骨頚部・・・・12週間
筋損傷の回復過程
- 筋細胞は再生する(損傷の強い場合、血行障害を伴う場合は瘢痕治癒)
- 再生=筋損傷後に損傷した筋が筋繊維により復元されること
- 繊維化=結合組織、主にⅠ型コラーゲンにより修復されること
- 損傷した骨格筋は、炎症、変性、再生の3段階を順次重複しながら治癒が進行する
- 受傷後、2週間経つと多くの繊維では、中心部は筋原繊維が正しく配列しほぼ正常筋繊維の形態となる(ただし分化の遅れている繊維もある)
- この修復期間中に過度な伸張や過度な収縮も困難となる
まず怪我や手術によって、損傷された部位について理解すること
次に主治医に手術部、受傷部についての運動制限や禁忌肢位について確認し
その方にあったリハビリ計画を組み立てることが大切だと考えます
リハビリ計画について
- 病理・運動制限・禁忌肢位などの情報を元にどのADLから改善するようアプローチするのか(どの筋力を改善させていくのか)
- ADLはどのような代償動作を使ってもらうのか
- どの時点から正常動作を練習するのか(主治医の方針、損傷の回復過程を元に)
このような視点が対象者に無理のない、痛みの少ないリハビリをする上で
大切であると考えます
参考文献
筋軟部組織損傷の回復過程 土肥 信之
標準整形外科学 第11版 内田淳正
運動器疾患のマネジメントー理学療法と患者に対してー 山内 仁
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