セラピストもリハビリ中に腹式呼吸を行うことで患者様にスパズムなど余計な緊張を与えないと感じます
呼吸の要素とリハビリ時の私の体験についてまとめてみました!
呼吸とは
酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す
1分間に12〜20回
吸気は横隔膜が収縮し肺は下方に下げられる
呼気は元の位置に戻る
胸式呼吸と腹式呼吸がある
呼吸の種類は努力呼吸、安静呼吸
・安静呼吸とは
安静時吸気:横隔膜、外肋間筋、内肋間筋の一部が収縮
安静時呼気:安静時吸気筋が弛緩するときに元に戻る力で行われる
・努力呼吸とは
上胸部、首、腹部の呼吸筋を使う
努力性吸気、努力性呼気がある
深い呼吸と浅い呼吸
・腹式呼吸は横隔膜の動き、呼気時は腹筋が働き腹圧を上げ、横隔膜を上に押し上げ呼気を助ける
*下位肋骨はバケツハンドルモーション(外上方と内下方への動き:横径の動き)
・胸式呼吸は肋間筋の働き、肋骨が方に上がる、肋骨の動きを主体とする呼吸法
*上位肋骨の動きはポンプハンドルモーション(前上方と後下方への動き:前後径の動き)
効果的な呼吸法は腹式呼吸
腹式呼吸は効果的だといわれています
腹式呼吸は換気量が胸式呼吸より大きく、インナーユニットをより使う呼吸といえると思います
横隔膜はインナーユニット
横隔膜はインナーユニットを構成しています
・インナーユニット=横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋
・インナーユニットは体幹の安定性に関与
・インナーユニットを構成する筋は拮抗関係にあり相互に作用
①横隔膜は吸気で収縮(下がる)し、吸気で適切に作用していない場合、下位胸郭可動性が低下します
②腹横筋は呼気時に収縮(上がる)す、脊柱の屈曲方向に動きます
呼気時適切に作用していない場合、下位胸郭の可動性が低下します
③多裂筋は吸気・呼気で働き特に呼気で脊柱屈曲への拮抗筋として働きます
④骨盤底筋は、吸気時は弛緩し呼気時は収縮して上方に上がります
腹式呼吸の私の評価方法
私は腹式呼吸の評価方法を下記のようにしています
・呼吸時の上部肋骨と下部肋骨の動きのバランス
(キャリパーモーション、バケツハンドルモーションの方がポンプハンドルモーションより大きな動きかどうか)
・吸気時に呼吸補助筋を使わないでもいいような呼吸となっているか
・呼吸時の下部肋骨の動きがあるかどうか(横径の変化)
・吸気より呼気の方が長くできるか
・運動のときに呼吸がとまらないか
・呼気時に下腹部に力が入るか
・運動の始まりが呼気となっているか
・呼気と吸気の比率が3対1(呼気が3秒、呼気が1.5秒)になるか
私の腹式呼吸練習方法
・呼気で腹部の中心に腹筋を集めるよう力を入れる
・呼気で下位肋骨を下げるようにする
・動作の開始時に呼気が起こるようにする
リハビリで腹式呼吸を使用した時の私の体験
リハビリで腹式呼吸を意識すると次のような効果が得られたと感じます
・関節可動域訓練など患者様の四肢を支える時、腹式呼吸を活用すると下腹部に力が入り私の体幹が側屈しにくい
・関節可動域訓練などで患者様を操作する際、ヒップストラテジーになりにくかった(骨盤中間位の保持)
・リハビリ時に私自身がリラックスして行うことができる
・患者様の身体を操作するとき、患者様もスパズムが出にくい
複式呼吸でインナーマッスルが働きやすくなりセラピストの体幹が安定するため、上記のような効果があると考えます