空振りセラピスト
立ち上がり動作は日常生活で必ず行う動作です
うまく立ち上がれない対象者は一体どこが問題なのか?
立ち上がり動作とありがちな代償運動について調べてみました
立ち上がり動作とは
座位から立位になるための動作で殿部にある重心を前方に移動し両足底に移動し、さらに上方に移動させ立位となる動作
立ち上がりの相分け
第1〜3相まであります
第1・2相で重心を前方に移動させ、第3相で上方へ重心移動させます
第1相(前傾相)
・座位〜尻が座面から離れるまで(離殿に向けた準備期)
・支持基底面:殿部→殿部・大腿→殿部・大腿・足部の順に移動する
・荷重:殿部〜足部に荷重
第2相(前進相)
・骨盤前傾〜足関節最大屈曲まで
・重心は前下方へ
・支持基底面:足部
・荷重:足部に荷重
第3相(伸展相)
・足関節最大背屈〜立位
・重心を上方へ
支持基底面:足部
荷重:足部
立ち上がり動作の筋活動
第1相(前傾相)
・縫工筋・大腿直筋・大腰筋・多裂筋(腰椎前弯:骨盤が後傾位〜垂直まで)
・大臀筋(体幹前傾(重力+)):骨盤垂直〜前傾位まで遠心性制御)
・脊柱起立筋(腰椎伸展、体幹前傾を制御)
・前脛骨筋(下腿の前傾)
第2相(前進相)
・前脛骨筋(下腿の前傾:求心性収縮)
・ヒラメ筋(下腿の前傾:遠心性収縮)
・大腿直筋(体幹前傾)
・大腿二頭筋
・内・外側広筋
第3相(伸展相)
・内・外側広筋(膝の伸展)
・ハムストリングス・大臀筋(股関節伸展、重心上方移動)
・脊柱起立筋(姿勢を直立位に、姿勢保持)
・ヒラメ筋
問題となる代償運動
・仙骨座りで骨盤の前傾が少ない(胸椎〜腰椎の屈曲で代償)まま立ち上がる
・左右どちらかに座位が崩れ(大腿骨頭支持)そのまま立ち上がる
・両手を膝の上について立ち上がる
私が実践する座位〜立ち上がり
うまく立ち上がれない対象者は第1相の体幹前傾でつまずいている方が多いと感じます
・座位で支持基底面は均等か(左右支持基底面が均等か)
・左右の坐骨がわかるか
・自分で左右の座骨に乗せられるか
・自分で両足部に重心移動できるか
・へその下に力が入っているか
・膝を前に出しながら(下腿の前傾)立ち上がりをしているか
・骨盤の前傾ができているか
空振りセラピスト
言葉で左右均等な座位を誘導し対象者が修正できるか
できない・わからなればわかるように工夫してリハビリすることが大切です
例えば
・座骨を触るなど感覚入力しながら左右への重心移動を繰り返す
・体重計を使用し左右の殿部の荷重感覚をリハビリする
対象者が自分で左右均等な座位を取れるようになることが大切だと考えます