訪問リハビリセラピス
頻度の多い日常生活動作は寝返り動作です
正常の寝返り動作と片麻痺の寝返り動作の違いについてイラストを使って解説していきます!!
正常の寝返り動作について
背臥位姿勢
・上半身重心:第7頸椎付近
・下半身重心:仙骨後面
・四肢はわずかに外転・外旋・伸展、前弯回内位
・腰椎の下に手掌が入る
第1相
①頸部屈曲・回旋
・頸部屈曲、回旋:頭長筋、頚長筋、胸鎖乳突筋
②肩甲骨の前方突出と上肢のリーチ
・肩甲骨の前方突出:前鋸筋
・上肢のリーチ:三角筋前部
第2相
①上部体幹の回旋
・上部体幹の回旋:支持側内腹斜筋、非支持側外腹斜筋
②上側の肩と下側の肩が垂直になる
・下部体幹の安定:腹横筋
第3相
下部体幹が回旋を始め、側臥位になる
・下部体幹(骨盤)の回旋:大殿筋、腰方形筋、
・骨盤の安定:非支持側内腹斜筋、支持側外腹斜筋
・上部体幹の安定:頸部、上肢、体幹の連結
片麻痺の方の寝返り動作(伸展パターン)
背臥位姿勢
・上半身重心:頭頸部が過伸展し重心は上方へ
・腹筋群の低緊張により腰椎前弯と骨盤前傾が強くなる
・腰部筋群と大腿直筋の過活動
第1相
・健側上肢でベッドの端やベッド柵を持って引っ張り寝返りを開始する
または
・頸部・体幹の伸展パターンを使って寝返りを開始する
第2相〜3相
・頸部・体幹の伸展パターンで寝返りが終わるため次の動作に繋がりにくい
私が実践する寝返り動作のリハビリ
第1相へのアプローチ
片麻痺の方は伸展パターンとなりやすい
→頭部屈曲・回旋を追視と組み合わせて練習
→麻痺側上肢と健側上肢をしっかりと組んで寝返る(正常に近い筋活動を誘導)
・
第2〜3相へのアプローチ
最初は顎を引いてまっすぐ起き上がってもらう(両側性の体幹筋の収縮をねらう)
空振りセラピスト
座位で麻痺側上肢が墜落しない
座位や立位で体幹正中保持ができる
そのために寝返りで両側の体幹筋や麻痺側肩甲骨周囲筋を狙うなど
座位や起き上がり動作、立位など次の姿勢や動作につながるように工夫していくことが大切だと考えます!!